Wednesday, March 21, 2007

またね

5.mar




最終日。
あっという間の4日間。
今回も新しいお客様がふえて、すこしづつだけれども前進できた。
つくる時は夢中で、コレかわいい、きっとみんな喜んでくれる!!と自信があるのだけれど、やっぱりいざみんなにお披露目となると、緊張する。本当にこれで良かったの?と今更思ったり。毎回お客様と答え合わせをしてる感じかな。
そんなドキドキの展示会も終わり。
みんな一斉に、日常に戻って行く。わたしも明日、日本に帰る。
今までは、終わったら『やっとおわった、あした帰れる〜』って感じだったけど、今回ばかりは本当に帰りたくなかった。
妙に切ない気持ちになった。ここにいたいな、、、と苦しくなった。帰ったら一杯やる事があるからかな?とか現実逃避かな?とかも
思ったけど、何かが違う。

まぁ、ともあれ、無事に終わって一安心。
また次回みんなに会えるのをモチベーションの一つとしてがんばりま〜す!!


仲間な感じ

展示会は4日間ある。
テントの中では、出展者たちが毎朝決まった時間に準備して接客して、決まった時間に帰って行く。
この時期にしかあわない人たち。
みんな頑張ってサンプルつくって、値段決めて、カタログつくって、、、つくるものは違うけど志は同じな人たち。
よそのブースを見て初めて出展するブランドでお客さんが商談してると、良かったねーと思う。
もちろん私に余裕がある訳ではなく、お客さんがこないことの不安がすこしわかるから、なんかそう思う。


それにしてもこっちの展示会はみんな自由にしている。シャンパン飲んでる人がいたり。。。
最初の頃、椅子なんかに座ってたらお客さんに失礼だ!と思って座らなかったわたし。
でも決してそんな事は無く、座っても良いんだとわかった今は、時間があればブース内でお昼も食べている。(もちろんお客様がいらっしゃる時はたべませんよ)所変われば、日本の普通が普通ではないんだなと、実感。





傘で長年出展している、キーノさん。
彼の傘は全て手作りで、生地のかわいさ、持ち手の手になじむかんじがすごくいい。
私も3本ももってます。おすすめです。(次回詳細お知らせしますね)
展示会に行っている人はおそらくみんな知ってるんじゃないかと言うくらいに、有名なイタリアおじさん。
いつもジャケットをきて傘のプリントのはいったコじゃれたネクタイに、ポケットチーフはバンダナ、プラスサスペンダーという何ともずるいくらいに、特徴的なおしゃれをした、かわいいおじさん。

こんかい私たちのブースに来ては、しゃがれた声で和ませてくれました。
VALEURのハンチング(何と名前がキーノ!!)を被ってお茶目なポーズをきめてくれました。
自転車に乗るキーノさんです。



展示会を重ねるごとに知っている人が増えて普通に挨拶したり出来るのもうれしい今日この頃。
がんばって、次も来たいな。

心優しいイタリアーノ



彼らはイタリアのVIVO ITALIAのスタッフ。
右がパオロで、左がマテオ。
彼らは展示会の度にミラノからVALEURのサンプルと什器を車に積んで9時間以上かけて来てくれる。
マテオは通常、経理業務をこなしている。
人懐っこくてかわいい弟タイプ。女の子にかなりモテるらしい。『ガールフレンドはたくさんいるよ!』とニヤッとしながら答えていた。

パオロは展示会のときは朝一緒にメトロに乗って出かけ、1日中、ずっと一緒にブースにいる。
大切なパートナーだ。
彼は母国語はもちろん、英語、フランス語、とすこしのスペイン語も出来る。
ヨーロッパでのVALEURの展開には欠かせない存在。
最初のコレクションの時から、思うような結果が出せず、不安で一杯だった私を『VALEURは最高だ!カドさんはいいデザイナーだ!』とずっと励ましてくれていた。今思うとその言葉は大きな支えとなっている。
初めての時はオーダーシートもうまくかけなかった。思い出すとおかしいな。

回を重ねるごとに2人の息もあってきて、今では夫婦と間違われる位(笑)になった。もっといろんな事について聞いてみたいし、話したいとおもう。
もちろんお客さんとも、日本の人と話すみたいに話せたら楽しいだろうなと思う。
フランスで仕事してるんだから、フランス語はしゃべれないといけないなと。

う〜ん、難題だ。

ヨット

1.mar


今回はチュールリー。
大きな公園の中にテントを建てて、期間中だけのコレクション会場ができあがる。
近くにはあの『コレット』もあったりと、なかなか賑やかなところ。

もう少し時間あるし、会場に入る前に裏の公園へ。
とにかく天気がよくて本当に空が美しい。
ただ風がつよいからやっぱり寒かった。でもそんな時にでもおしゃべり好きなフランスの人たちは噴水のまわりにランダムにおかれたベンチにすわっておしゃべり。




子供たちは噴水の中にヨットのおもちゃを浮かべて、レース?に夢中。ヨットを長い棒でつついて軌道修正させて他の子のヨットと競争させる。ただ、噴水の中だから距離が短くすぐに終わってしまう。だから何度も何度もくりかえす。
わたしはこの遊びを初めて見て、ヨットの帆の生地のかわいさにうっとり。どれも手作りな感じで、パッチワークになっていて、配色が絶妙。きっと何かをねらってつくった訳ではなく暮らしの中から自然に出来た感じだった。小さい頃からこんなおもちゃで遊べるなんて幸せだなと。でもこっちのコからしてみれば、普通のことで新しいのが欲しいとかおもってるんだろうね。




もうすぐ着きますと電話があった。
もっと見たいきもちを押さえて、本来の目的に戻る。

ぼんまるしぇ



今回のPREMIEREはチュールリーというところ。
予定では2時か3時くらいには行く予定だったけど、イタリアからやってくるパオロとマテオが少し遅れてるから、おかげで時間が出来た。
何処に行こうかなと考えたけど、今シーズンの春夏のVALEURがBONMARCHEに入荷しているはずだから、見に行きたい!!とおもい
早速駅を調べて、カメラ片手に出かけた。

いつもは朝の早い時間に乗るメトロ。
結構込んでいるんだけど、お昼間はこんな感じで結構すいている。うとうとするお兄さん、この人何処まで行くんだろう、何をしてる人なんだろう。そんなことを思いながらわたしもぼんやり。



20分位かな、パリの人たちにまぎれ、まぎれも無い日本人の私は、おばさんにスカートがかわいいわねと褒められ『メルシー』と
ほぼカタカナ表記のフランス語でこたえたり、小さなコをつれたお母さんから子供用の飴をもらったり、短時間で人に触れた感じ。

目的地についたわたしは、何だかすでに満足気。
降り口が『BON MARCHE』と書いてあったからまよわず向かう。


出口の階段の壁のタイル。
とてもキレイ。うれしくなった。こんな事一つを取り上げてみてもとても豊かなきもちになる。いつかこの街で暮らしてみたい、と思った。




店内の一階には世界のビッグメゾンのショップがずらりと並び、そこに帽子売り場もある。すごい所にあるんだなと、キョロキョロ。
中での撮影は無理でしたが、今期納品したものが何個かあった。『へ〜、こんな感じで売られてるんだ〜』とじわっと感動がこみ上げてきた。秋田でつくって、会社の一階でサイちゃん(VALEURの新スタッフです。よろしくおねがいします。)が一個一個袋につめて出荷した帽子が、こうやってパリのお店で堂々と(私にはそうみえた)並べられていた。誰かが手を抜いたりしていたらきっとここには無いんだろうな。やっぱり、みんなのおかげ。本当にありがとう。遠い日本に想いを馳せた時間でした。

さて、そろそろチュールリーに向かいます!!

ようやく

1.mar


パリ。
遠かった〜。こんなにも想いを馳せたパリ。ようやく到着。

かわらないホテルに、ホッとして、久々に家に帰ってきた時みたいにくつろぎました。

チェックインしていつものごとく近所のスーパーに。

空はキレイに澄み渡っていて空気がピンと張りつめた感じ。
(わたしは空を撮る事が多いのだけれど、パリの街は見上げると歴史ある建物と空とのコントラストがグッとくる。)

外に出しっ放しで、気にもされていない果物も発色がとてもきれい。

また利き水のごとくお水を買って、マンゴーのジュースも買った。
お菓子は、、、
パッケージはかわいいけど、本当にあま〜いから今日のところは写真だけ。
絵を見てるだけでも思わず笑顔になってる、わたし。

さてこれから設営まで、少し時間があるから、出かける事にしよう!!







Monday, March 12, 2007

原始的なやりかたで

アムステルダムにて

28.Feb

ようやく到着、アムステルダム〜!!
いつもよりわざと大きく息を吸い込んで、ふむふむこれがオランダの空気か。と。
表情がゆるみっぱなしだわ〜。
目に入ってきたのはブルー。やたらと多い気がする。そう言えば制服もブルーだったな。





乗り継ぎまで1時間半。
少し空港内を見て回る事にしよう。


空港内にはいわゆる観光的なオランダがた〜くさん。
チューリップ、ダリアの球根。木靴。
かわいい!!
空港でこんなにも癒されるなんて。直感で「ここ好き!」って思った。







きょろきょろしすぎて、時間も少なくなってきたので搭乗口へ駆け足。束の間のオランダを満喫して満足げな私。いざフランス、まっててねパリ〜と心の中で叫びつつ乗り込む。
しばらくして機体の下の方から、原始的な打撃音が聞こえてきた。何かを打ち付けている、突き上げている
そんな音。外が騒がしくなってきた。おじちゃんたちが寄って来た。なかなか動き出さない、何だ?





数分後、全員機内から出された。
メンテナンスをするから一旦出てください。今後の事は未だわかりませんが、7時まで待ってくださいとのアナウンス。今は6時半くらい。どうやら荷物を機体の貨物室に入れるときに、機体とカーゴ車が衝突してヒコウキを壊してしまったらしい。。。。じゃあ、あの叩く音は、それを治そうとしてとった策だったの?!
すごい、強引、大胆不敵、そんなんで治るはず無いじゃない!!背筋がぞっとした。
同時にカウンターはクレームの嵐となりました。



結局、ファーストクラス以外の乗客は当日便の振替が不可能で、翌日便にてパリに向かう事に。さすがファーストクラス。ピンチのときに効力を発揮するんだなと感心。
それにしても、国民性なのかこのトラブルの対応に於いてもホーント、スタッフはみんなのんびりしている。
もうかれこれ2時間半も待たされているのに、定時になったら乗客を待たせたまま帰っちゃう。「はい、私の仕事はもうおわり!」みたいに。もう怒る気にもなれなくて呆れて笑ってしまった。日本じゃあり得ない。そう、ここはオランダなんだな。

小さなトラベルセット(スキンケアセット、Tシャツ、靴下、デオドラント等)をもらい、ちょっとしたプレゼントでも受け取った気分でウキウキして、用意してもらったホテルに向かうために外に出た!
『スキポール』と書かれたエントランスに見とれる。
ホントの上陸だわ〜!と、トラブルだけど、気持ちは楽しんでいる。ちょっとした冒険気分。空港で一緒になった日本人の女性2人と私との3人で用意してもらったホテルへシャトルバスで移動。もう23時。





ホテルがキレイで3人で一気にテンション上がる。
けど明日、朝の6時半のフライトだから、5時半のシャトルバスバス!!
長い1日。
家をでて何時間だろう??計算する気にもなれず。
まさか自分の身ににこんな事が起こるとは思いませんでしたよ〜。

それにしてもキレイで無駄に広い部屋。
日本でこじんまりと暮らすわたしには、この余裕のありすぎる空間が所在無さげに感じてしまう。
壁のゴシック調の絵がちょっと怖いし。
と、電気は消さずに。

おやすみなさい☆

PREMIERE MAR. 日記

皆さんただいま!!
ご報告が遅くなりましたが3月のPREMIERE CLASSEでの展示会を無事に終え、先週戻りました。
今回も写真をたくさん撮ってきたので、どうぞお茶でも片手にゆっくりご覧下さいね。
では☆


28.Feb
いつものごとく早めに着いて。今回は初めてのKLMオランダ航空。なんだかこの文字の並びがポップな感じで心地良い。初めての事はどんな事でもワクワクするものです。わたしは。

『アムステルダム』行き。素敵〜。経由だけだし、空港内だけなんだけど初上陸、オランダ〜!!と搭乗前からテンション上がる。ブルーの機体も爽やかに風に乗るイメージ。


長時間のフライトでは他のお客さんとも知り合いになれる。毎回何かしら話しかけられる私は、今回は上品な老夫婦に会った。もう12年間も、毎年ご夫婦でヨーロッパに旅行にでかけるのだそう。今回は、これからオランダ、ベルギーに行くのだと言う。キレイな淡いモスグリーンのカシミヤのセーターに白髪まじりの上品に整えられた髪型の奥様、ドットのスカーフを首元に行儀よく巻いて、奥さんがキチンとかけたであろうアイロンの形跡が見合えるシャツを着たご主人。
この品の良さは、小手先ではない、長年のお二人の歩みの蓄積だと思った。
『生き方』ってきっと雰囲気や表情に出るんだと思う。

色々話を聞いた。印象的なのは『どんな時でも、家族が1番大切』という言葉。このご夫婦からでたその言葉はかなりの説得力があった。




『ちょっと、どうにかしてよー、あんた、この人たち通じないのよー』
指をさされた、多分オランダ人の客室乗務員は困った顔。それもそうだ、日本語でまくしたてている。

『この人は酔っぱらっているのか』と乗務員さんに聞かれた。

『どうかなさいましたか?』
『今の時代、宇宙にも行ける時代なのに、こんなじーっと座ったまんまで、だれも文句言わずにぼけーっとして、運動出来る部屋を作るとか、もっと工夫してよ、あんた、ちょっと機長にいってきてよ』

こんな時どうするんだっけ?!まず人のいないスペースに移動して、話を聞いてみようと思い
『向こうで何か飲みますか?』
『つらいのよー。あんたわかるのー。、、、、、ほんとにつらいいわー。。。もうおろしてほしいくらいよ。ーーーーーーーーなんか甘いのあるの?』
『アイスありますよ、私も食べたいから一緒に行きましょう』
と誘ってみた。

聞くと足が悪くボルトを大腿部に入れてるから、痛くて座っているのがつらいとのこと。
娘さんとイタリアに行くといってそのときは嬉しそうに話してくれた。長い時間だとは聞いていたけどこんなにつらいとは思わなかったと。
『娘さんは、どこですか?』
『あの子は寝てる』
お母さんなんだなぁ。

しばらく話をしながら、さする程度のマッサージをして、少し落ち着いたらしく
『後で機長に言っといてよ。健康な人にはわからないだろうけどね、マッサージありがとね』
と言って席に戻って行った。

わたしも『健康な人』だな確かに。失うとそれがいかに大切だったかに気付く。
という事に気付いた。


いろんな人がこのヒコウキに乗ってるんだな。

今回の機内での出来事はこんな感じ。

そうそう、KLMは映画が充実!!ジャンル別に分かれていて、全部で50タイトルはあった。素晴らしい。
『DREAM GIRLS』を見て号泣。日本語版が無く英語版だったからきっと内容の半分以上は細かくわからないけど、心が揺れた。歌で。表情で。

客室乗務員さんもみんなからっとしたおおらかな笑顔で好きでした。
あと、4時間くらい。
アムステルダム、もうすぐよ〜!!