Monday, June 29, 2015

6月の最後の日に、ありがとう。



6月も最終日となりました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

上半期もあっという間にすぎ、私の記憶は既にまばらです。

1月からの海外展示会PREMIERE CLASSEからスタートして、
MILANO、PARIS、東京、福岡と3月まで展示会行脚は続き、
その後は百貨店様でのイベントが今月の頭までありました。

ありがたい事にお仕事にとても恵まれています。

お店でも色々な個性のあるお客様がご来店下さり、面白い毎日です。



いま、卸のお客様からのご要望のあった追加の帽子を最後の仕上げ中。
春夏物最後のお仕事です。

これが終わったら、秋冬の生産分をチクチク。

店頭に並ぶのは8月くらいかと思います。
まだ暑いであろう夏の時期ではありますが、秋冬の新作をすこしづつご紹介させてくださいね。





さて、

実は、実は、じつは、、、

今になってしまいましたが、
お知らせしなければいけない事があります。





この度、
とても私的な事情で、会社を辞め、12年続けさせて頂いたブランドをクローズする事にいたしました。

皆様に、こちらでのお知らせになってしまった事お許しください。





12年の長きにわたり一緒に歩んでくださった皆様に心より感謝いたします。



12年という時間は長いようでいてやっぱり毎日があっという間にすぎていき、
気づけば今、という感じです。
何度人知れず、アトリエの隅で出来ない自分に悔し涙をながしたことか。



ファーストコレクションは10型からスタートしたバルールでした。
趣味だった帽子作りを仕事にしてきた毎日はとても充実していました。
それゆえに、もちろん苦しい事もあったけど、やっぱり楽しかった記憶が勝ります。

夢の一つだったパリのPremiere Classeにも10年以上出し続けることが出来たのも、ミラノスタッフ(飯原さん、カティア、ゆうきちゃん、なほちゃん、ビンドちゃん)や沢山のかたのお力添えがあったからです。
あの頃、パリのプルミエール本部までサンプルを持参し、審査を受けたこと。
でも、実は日本にも事業部がありそちらで手続き出来たこと。
初出展のとき。全く言葉が理解できずほぼジェスチャーで接客したこと(笑)
懐かしくほろ苦い記憶です。

皆様のお陰で、国内外に多くの顧客様を持つブランドと成長することができました。

かわいい!すき!楽しい!というポジティブな気持ちで、国を超えて繋がる事が出来たのもとてもいい経験でした。
帽子というものを通してたくさんの人にあい、様々な感情を共有し、見える世界が広がりました。


チームバルールに関わってくれたミラノスタッフのみんな、工場の方々、お針子のみなさん、生地屋さん、糸屋さん、付属屋さん、それぞれの想いが同じ方向を向いて、いい物作りが出来たと思っています。


導いて頂きありがとうございました。
一人では到底みられなかったすばらしい景色をみさせて頂きました。



そして、それらを買って下さっていたバイヤーさん、お店の方々、お店のお客様。
数ある帽子ブランドの中からバルールを選んで下さり、本当にありがとうございました。


大好きな人たちと大好きな事を仕事にできた事、本当に本当にすばらしい12年間でした。耀いています。


ありがとうございました。


バルールは今期の秋冬で最後のコレクションになります。


もしも、お近くにご覧頂けるお店があれば、是非足を運んでいただけると嬉しいです。
(8月にHPを更新します。)

私は今後、日曜日以外は7月9日までお店にいる予定です。
(7末までは在籍しています。その後もParc-niqueは引き続き清澄にございますので、ぜひお立寄りくださいませ。)


何卒よろしくお願いいたします。





持っているものを手放し、次に何を手にするのか、まだわからないのですが、
一つだけわかっている事があります。

それは、
自分も、まわりも、未来も、楽しく豊かに続いていくために時間(いのち)を使いたいということです。

よしもとばななさんの言葉にもあるように、
ちいさないじわるを消して、毎日を私たちみんなが幸せに過ごせるように、
わたしも日々の暮らしのなかで、人を大切に、思いやりを持って実践していこうと思います。





最後までバルールの製作に尽力してくれたかよちゃん、しだちゃんに、お疲れ様でした!ありがとう!


そして最後に、
何も出来なかった私に多くの経験の場を与え、任せ、育ててくれて、
最後のこの上ない私のわがままな決断を許してくれた佐藤社長に、
心より感謝いたします。

ありがとうございました。



LOVE
PEACE
HOPE
SMILE

すべての縁、命あるものに





ありがとうございました!

ちさきのりこ






Friday, June 26, 2015

特別な朝


昨晩は、自分の中の普段隅っこにいたり、存在を消しているような感情が
ばーっと出てきた。
しかも話し言葉で。
私にはとても珍しい事。

実はあまり、自分の事を話すのは得意ではない。


昨晩の心友との会話は、言葉の選択があまり適切でなかったようにも思える。
言葉って便利だけど、難しい。
わたしには。

その問いの答えは、寝てあっちに委ねる事にして昨晩は目を閉じた。
意識がいつあっちにいったのかも覚えてなんか無い。

いつのまにか朝がきて、いつものように伸びをして、
ここが自分の居場所であることを、覚め行く意識の中で、視覚、聴覚、嗅覚、触覚を使ってカチッ、カチッと組あわせていく。

無意識と意識の狭間で見る夢のような、ぼんやりとはじまる現実を受け入れていく数分間。

そらから雀の朝の食事の邪魔をしないように、そーっと玄関のブラインドから外の様子を眺めて、最高のタイミングを見計らって朝に会いにいく。

『朝に会う』という能動的な感覚を知ってからというもの、以前よりもより一層太陽、地球のエネルギーを取り入れる事が出来ているような気がする。
世界を照らし始める太陽は存在するすべてに分け隔てがない。
平等。

そんな事に感謝しながら大きくポジティブなエネルギーを頂く。

ゆったりと座り、手のひらを天に向け、左右に軽く体をゆらして落ちつくポジションで座禅を組み細くゆっくりと息を吐きながら睫毛の重さを意識するくらい丁寧に目を瞑る。
夜明けは生物、植物、鉱物すべてが徐々に徐々に波動を高めていく時間、わたしもそれに便乗してすーっと自然界にとけ込んでいく。

いつもなら。

でもね、今日は違った。
筒状の私の体には心というモノが存在していて、そこにざわざわした物があって、しばらくそれを眺めて受け流してはいたものの、そのひだひだは小さくはなったけれど、さらさらと流れてはいかなかった。

昨晩の、あっちに返したはずの何かはかえっていなかったようだ。


それを受け止めながらもしばらくそこに居座り続け、かれこれ1時間弱がすぎていた。



「伝える事」


最後にはそんな事が浮かんできた。


なんの事だかさっぱりわからないけど、否定はしない。
それはそれとして。


いつものように店にきて、いつものように掃除する。
いつものようにって言えるのは実は奇跡の連続のなかにいますよってこと。
本当は何一つ永遠に確実なことなんてないんだ、これは決してネガティブな思考ではない。
それをそれとわかった上で「暮らし」を営む事ができたらきっと手にした喜びは数倍の輝きを放ち、色とりどりの色彩を持って寄り添うのだろうとおもう。

きっとそんな事はみんなわかっていて、あえて口にしないだけだと思う。
私なりの言葉ではこんな感じだ。



さて、そうこう云々しているところで、ある人にある電話をする事にした。
同じ事を言わなければいけない人は沢山いるのに、なぜか、なぜだか、本当に無意識にその人に電話をしていた。

「おー、ちさき!」

全く、相変わらずだ。
愛情を込めてこの言葉を選んだよ、今。


それから数分間、共通言語による会話はすすんだ。
もう長い付き合いの彼は驚くほどに多角的に物事をみていた。
肯定も否定も無いその言葉の選択はとても耳障りもよく、琴線にもよいかんじで触れ、それだけにより一層深い感情に訴えかけてきた。

判断を委ねられている感じだ。
フムフム。
天の邪鬼な私は、受け入れる前のフィルターが厚かったり、わざと目詰まりを起こす事もある。
面倒だなと自分自身を俯瞰する事もある。


なのに、今日は違った。


今なのだ。
いまここで、なのだ。


私は自分の物作りのことを生活と思っている。
そこに隔たりは無く生活の中での事がそのまま表れる。
だから自分は「ちゃんと」していたいと思う。
(そう思うのは本来の自分がそうでない事を知っているからだとおもう。)

それを彼は私がそう思うように感じるように導いてくれていた。
なんなんだ!


そして、わたしはそれらをうけとって自分の事をモノ作りの事をしっかりと、実感を伴い
伝えていた。


伝えることで、ぼんやりしていた輪郭が浮かび上がってきた。
その輪郭をなぞりながら全体像を把握して、きっとこれからは細かな仕組みを理解していくのだろう。


昨晩からのモヤモヤ、朝のひだひだ、瞑想からのメッセージ、今。

そういう事でしたか!と膝を打つとはこういう事か。




思いも寄らない事の重なりでいつものようにすぎていくはずの朝が特別な輝きを放った。
まぎれも無く光あふれる特別な朝を迎えていた。






ちさき
2015年 6月26日 佳き日


久々のブログ、久々の長文。
失礼しました。